30代・未経験からエンジニアになるまで——学び方と実務への入り方を振り返る

接客業から30代に入って未経験でエンジニアに転身した経緯を、学習の進め方と実務への入り方に絞って振り返る。独学の進め方、社内SEから開発職に移るまでの段階、効いたことと遠回りだったことを整理した。

自分は接客業で働いたあと、30代に入ってから未経験でエンジニアに転身した。今は医療系の会社で業務システムの開発をしている。

この記事では、どう学び、どういう段階を踏んで開発の実務に入ったかを振り返る。先に結論を書くと、効いたのは「体系立った教材で一本の流れとして学んだこと」と「学びながら開発に入れる環境を選んだこと」で、遠回りだったのは「開発に触れない仕事に留まった期間」だった。

全体の流れ

段階やっていたこと開発スキルという点での振り返り
接客業接客、在庫管理、発注、新人の育成直接は関係しない。ただし後で別の形で役に立った
独学の期間(約半年)仕事をせず、書籍とオンライン講座で学習に専念独学で学んだのはこの期間だけ
社内SE社内SEとして最初の就職ここで初めてITの仕事に就いた
情シスインフラとヘルプデスクが中心開発の技術は積み上がらなかった
現職業務システムの開発教育を受けながら、実務で開発を覚えた

なぜプログラミングを選んだか

転職を決めたとき、自分に何が残るかを削って考えた。

接客は何年やっても得意になった感覚がなかった。在庫管理や発注のように手を動かす仕事は嫌いではなかったが、それがやりたくて入った仕事でもなかった。そうやって削っていくと、大学の授業でプログラミングだけは楽しかった、という記憶が残った。

起点にしたのは、この「楽しかった記憶があるもの」だった。これは後から効いてくる。

学習の進め方

プログラミングスクールには通わず、書籍とオンライン講座で独学した。期間は約半年で、その間は仕事をせず学習に専念した。

何から手をつければいいか分からない状態だったので、助けになったのは、体系立てて手を動かしながら進められる教材だった。分からないことをその都度検索して断片的に知識を拾うより、一本の流れになっている教材を最初から最後まで通すほうが進みやすかった。独学では、最初に全体の地図があるかどうかで進み方が変わる。

進め方を整理すると次のようになる。

  1. 体系立った教材を1つ選び、手を動かしながら最後まで通す
  2. 断片的な検索は、その流れの中で詰まったときの補助に使う

実務への入り方

応募

就職活動は厳しかった。30代で完全な未経験という条件は、自分が採用する側でも選びにくいと分かっていた。応募した数は数えきれない。それでも送り続けて、社内SEとして最初の採用が決まった。

社内SE、情シスを経て開発へ

最初の就職先は社内SEで、次の会社では情シスとしてインフラとヘルプデスクを中心に担当した。

情シスの仕事は環境としては落ち着いていた。ただ、開発の技術が身についていく感覚がなかった。このまま年数だけが過ぎることへの焦りが大きくなり、開発に関われる仕事へ移ることにした。

現職を選んだ決め手は、入社時点のスキルが足りなくても、学びながら開発に入れる環境が用意されていたことだった。入社後は、システムを開発したベンダーの教育を受けながら、そのチームの中で実務を覚えた。独学で学んだだけの状態から開発の現場に入るには、この「教わりながら本物のシステムに触れる期間」が必要だった。その後の引き継ぎの様子はAWSを知識ゼロで引き継いだ話に書いている。

効いたこと・遠回りだったこと

内容理由
効いた体系立った教材を一本通した何から手をつけるかで迷わずに進められた
効いた楽しかった記憶があるものを選んだ長時間続けても消耗しにくい
効いた学びながら開発に入れる環境を選んだ独学と実務の間を埋める期間が持てた
効いた接客業での経験ヒアリングと育成でそのまま使えた
遠回り開発に触れない仕事に留まった期間開発スキルは、開発の仕事をしないと積み上がらなかった

続けても消耗しにくい

現職に入って気づいたのは、技術の仕事は自分にとって苦にならないということだった。接客は何年やっても「仕事だからやっている」という感覚が抜けなかったが、技術の仕事は長時間やっていてもそこまで消耗しない。未経験からの転身では学ぶ量が多いので、この差は大きかった。

接客業の経験は別の形で使えた

向いていなかったと感じている接客業の経験も、ゼロにはならなかった。

  • ヒアリング: 現場の人が本当に困っていることを話してくれるかどうかは、こちらの聞き方で決まる。クレーム対応で身についたこの感覚は、要件定義でユーザーに話を聞くときにそのまま使っている
  • 育成: 新人を育てる立場だったときに試行錯誤して行き着いた「できないことを責めるより、できたことを認める」というやり方は、今メンバーを育てるときも変わらない

遠回りだった点

情シスの期間は、開発スキルという点に限れば遠回りだった。「IT系の職種に就いていれば、そのうち開発の力もつく」ということは自分の場合は起きなかった。開発をやりたいなら、未熟なままでも開発に関われる場所に移るほうが早い、というのが振り返っての結論である。

まとめ

  • 学習は、体系立った教材を一本通す。断片的な検索は補助に回す
  • 起点は「楽しかった記憶があるもの」にした。続けても消耗しにくいことが、学ぶ量の多さを支えた
  • 独学から実務の間には、教わりながら開発に入れる環境が必要だった
  • 開発スキルは開発の仕事でしか積み上がらなかった。関連職種に留まった期間は、その点では遠回りだった
  • 前職の経験は、ヒアリングと育成という形で使えている

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